古英語の col は「木炭」「生きた炭」「燃えているか、燃えたことのある木や他の可燃物」を意味し、これは原始ゲルマン語の *kula(n) に由来しています。この語は、古フリジア語の kole、中オランダ語の cole、オランダ語の kool、古高ドイツ語の chol、ドイツ語の Kohle、古ノルド語の kol など、さまざまな言語でも見られます。さらに遡ると、インド・ヨーロッパ語族の語根 *g(e)u-lo-(「生きた炭」を意味する)にたどり着き、これがアイルランド語の gual(「石炭」)にもつながっています。
「化石化した炭素からなる固体鉱物で、可燃性で燃料として使用されるもの」という意味は、13世紀中頃から見られます。この物質自体は、紀元前370年頃にテオフラストスが著作『石について』の中で lithos anthrakos(anthrax を参照)という名前で言及しています。伝統的に幸運の象徴とされていた石炭は、イギリスでは新年の贈り物として贈られ、来る年の暖かい暖炉を保証するものと考えられていました。
「drag (or rake) over the coals」という表現は、キリスト教徒が異端者に対して行った処刑方法を指していました。また、「carry coals」(「石炭を運ぶ」)は「汚れ仕事をする」「侮辱を受け入れる」という意味で、1520年代から使われています。
「carry coals to Newcastle」(「すでに豊富にあるものに無駄に加える」「不必要な労力を費やす」)という表現は、1600年頃から見られ、古代の類似表現の地方的なバリエーションです。ラテン語では in litus harenas fundere(「浜辺に砂を注ぐ」)、in silvam ligna ferre(「森に木を運ぶ」)といった表現があり、ギリシャ語では glauk eis Athenas(「アテネにフクロウを」)といったものがありました。ニューカッスルは大規模な石炭生産地域の中心に位置しています。古代の見解が現代と必ずしも一致するわけではありません。ある歴史家は、中世のイギリスが製造した布地を低地諸国に輸出していたことに触れ、そこで織物が主要な産業であったことを考慮し、「地元の人々よりも安く売れると確信できるなら、ニューカッスルに石炭を送り、アテネにフクロウを送るのは常に賢明だ」と述べています【ジョージ・D・ペインター『ウィリアム・キャクストン』、1976年】。