12世紀初頭、coroune, crouneという言葉が使われ始めました。これは「王冠、頭にかぶる装飾品で、主権の象徴」といった意味で、アングロ・フランス語のcorouneや、古フランス語のcorone(13世紀には現代フランス語のcouronne)から来ており、ラテン語のcorona「冠」、もともとは「花輪、ガーランド」を意味する言葉に由来しています。このラテン語はギリシャ語のkorōnē「曲がったもの、ある種の冠」に関連しています。
ウォトキンスによれば、この言葉は印欧語根*sker-(2)「曲がる、曲げる」から派生した形だとされています。しかし、ビーケスは「冠」の意味がギリシャ語のkorōnē「カラス」(ravenを参照)から来ていると考えています。彼によれば、この言葉は「曲がったりフック状のもの全般」を比喩的に表現するために使われたと言います。「さらに」と彼は書いています。「[korōnē]がカラスを指す比喩的な使い方は、その同根語の使われ方を考えれば特筆すべきことではありません。比喩はおそらく、その鳥のくちばしや爪の形から生まれたのでしょう。」ラテン語のcorax「カラス」、また「フック状の戦争機械」を指す言葉や、フランス語のcorbeau「カラス」、さらに「片持ち梁」を意味する言葉、英語のcrowbarなどと比較してみてください。
古英語ではcoronaがラテン語から直接取り入れられました。比喩的には「王権」を意味し、1200年頃から使われました。14世紀後半からは「栄誉や特権の象徴」としても使われるようになり、1300年頃からは「頭蓋骨や頭の最上部」を指すようになりました。1670年代からは「帽子の頂部」を意味し、1804年からは「歯茎の上に見える歯の部分」を指すようになりました。
この言葉は14世紀後半から「王冠や王冠をかぶった頭の印が刻まれた硬貨」を指すようになり、特にイギリスの銀5シリング硬貨を指すことが多くなりました。また、アイスランド、スウェーデン(krona)、ノルウェー、デンマーク(krone)の通貨単位や、かつてのドイツ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国(krone)でも使われていました。Crown of thorns(いばらの冠)は、古英語でþornene cruneと呼ばれていました。