「物理学の学生」という意味で使われるようになったのは1836年で、physics(物理学)と-ist(~者)を組み合わせたものです。この言葉を作ったのは、イギリスの博学者ウィリアム・ウィーヘル(William Whewell)氏で、「物理学を学ぶ人」という意味で、physician(医師)とは区別されるべき存在を示すために使われました。
As we cannot use physician for a cultivator of physics, I have called him a physicist. We need very much a name to describe a cultivator of science in general. I should incline to call him a Scientist. Thus we might say, that as an Artist is a Musician, Painter, or Poet, a Scientist is a Mathematician, Physicist, or Naturalist. [William Whewell, "The Philosophy of the Inductive Sciences," London, 1840]
物理学の研究者を指すのにphysicianは使えないので、私は彼をphysicistと呼ぶことにした。科学全般を学ぶ人を表す名前が必要だと思うので、私は彼をScientistと呼ぶのが良いと考えている。つまり、アーティストが音楽家や画家、詩人であるように、科学者は数学者や物理学者、博物学者であると言えるだろう。[ウィリアム・ウィーヘル、「帰納的科学の哲学」、ロンドン、1840年]
この言葉は1716年には「医学の専門家」を指す意味で使われていましたが、その用法は稀で、19世紀にはほとんど使われなくなっていました。