1590年代、「誘惑する、誘惑して道を外れさせる(忠誠心や家族からなど)」という意味で使われ始めました。これはフランス語の débaucher(「仕事や義務から誘惑する」)に由来し、古フランス語の desbaucher(「道を外れさせる」)から来ていますが、その語源ははっきりしていません。
もともとは「木を切り揃えて梁を作る」という意味だとも言われています。これは bauch(「梁」)から来ていて、フランク語の balk や英語の balk(名詞)に近いゲルマン語の語源が考えられます。何かを「削り取る」というイメージがあるかもしれませんが、別の説では「作業場」を意味する言葉が語源だとも言われており、これが「仕事から誰かを誘惑する」という考え方につながっている可能性があります。しかし、どちらにしてもその意味の変遷ははっきりしません。
より具体的に「道徳や倫理から誘惑する、道徳や原則を腐敗させる」という意味で使われるようになったのは1600年頃で、特に「淫らさで堕落させる、性的に誘惑する」という意味で女性に対して使われることが多くなりました。また、自動詞として「官能的な楽しみを過度に楽しむ」という意味で使われるようになったのは1640年代です。名詞としては「過度の官能的快楽のひととき」という意味で1600年頃から使われています。