約1200年、「悪霊、悪性の超自然的存在、インキュバス、悪魔」という意味で使われるようになりました。これはラテン語のdaemon「精霊」、さらにはギリシャ語のdaimōn「神、神聖な力;小さな神;導きの精霊、守護神」(時には死者の霊も含まれる)から来ており、「人の天才、運命、または運 fortune」といった意味も持っていました。さらに遡ると、印欧語族の*dai-mon-「運命や運を分け与える者」(つまり「分ける者」)という語根から派生しています。これが*da-「分ける」に繋がるのです。
悪性の意味が強調されるようになったのは、ギリシャ語のdaimonionがキリスト教の翻訳やヴルガータ訳聖書で「異教の神、偶像」、さらには「不浄な霊」として使われたためです。これに先立ち、ユダヤ人の著者たちもこの語を使い、七十人訳聖書ではshedim「支配者、偶像」と訳していました。マタイによる福音書8章31節にはdaimonesが登場し、古英語ではdeofol(悪魔)、中英語ではfeend(フィーンド)やdeuil(デューイル)と訳されています。古英語ではhellcniht、「地獄の騎士」という表現も使われていました。
古代ギリシャ語では「神よりも低い超自然的存在、神に仕える精霊」といった意味で使われており、英語でも1560年代からこの意味で使われるようになりました。この際、区別のためにdaemonやdaimonと書かれることもありました。「破壊的または醜悪な人」という意味は1610年代から、また「悪の擬人化された存在」(例:ロムなどの悪魔)としての意味は1712年から見られます。
Demon of Socrates(英語での表記は14世紀後半)はdaimonion、つまり「神聖な原理や内なる神託」を指していました。しかし、彼の告発者たちや後の教父たちはこれを悪い意味で解釈しました。Demon Star(1895年)はAlgol (アルゴル星)を指します。