「特に好まれる人や物」という意味で使われ始めたのは1580年代で、フランス語のfavoritから来ていると考えられ、イタリア語のfavoritoを経由した可能性もあります。この単語は、favorire(好意を持つ、支持する)の過去分詞形が名詞化されたもので、さらに遡るとラテン語のfavorem(支持、偏愛、好意)に由来しています(詳しくはfavor (n.)を参照)。
特に「上司に対して強い影響力を持つ人」という意味で使われるようになったのは1590年代です。また、競馬などでは「最も勝つ可能性が高いとされる馬や選手」という意味で、1813年から使われています。17世紀から18世紀にかけては「こめかみにゆるく垂れ下がった小さな巻き毛」という意味でも使われており、女性の髪型の特徴の一つでした。
形容詞として「特に好まれたり、尊敬されたりする」という意味で使われるようになったのは1711年です。Favorite son(特に人気があり、故郷で誇りにされる人物)という比喩的な表現は1788年から見られ、特にアメリカでは「ある州の人々に特別に選ばれた政治家」という意味で使われるようになりました。
「他者の利益を促進する人」という意味の名詞としては、ラテン語のfautor(支持者、後援者)が対応する単語でした。これが古フランス語のfauteur、中英語のfautour(支持者、従者)に変化し、14世紀半ばには使われていましたが、その女性形fautressと共に消えてしまいました。