15世紀初頭には、「黒いアンチモン、アンチモン硫化物」(医療や錬金術で使用される粉末)を指す言葉として使われていました。これは古フランス語の antimoine から来ており、中世ラテン語の antimonium(11世紀)に直接由来していますが、その語源ははっきりしていません。
おそらく、後のギリシャ語の stimmi(「粉末状のアンチモン、黒いアンチモン」、まぶたを描くための化粧品)をラテン語化したものと考えられます。この言葉はアラビア語の al 'othmud などから来ている可能性がありますが、逆にアラビア語がギリシャ語から派生し、ラテン語がアラビア語から来たという説もあり、その場合はアラビア語の定冠詞 al- が a- に変化したと説明できます。最終的には古代エジプト語の stm(「粉末状のアンチモン」)に由来し、この物質は紀元前3000年頃から化粧品として使用されていました。
フランス語では民間語源によって anti-moine(「修道士の毒」)という形になりました。純粋な形での脆い金属元素としての名称は、1788年から英語で確認されています。その化学記号 Sb は、ラテン語で「黒いアンチモン」を意味する Stibium に由来し、この言葉も英語で黒いアンチモンを指すのに使われました。関連語としては、Antimonial(アンチモンの)、antimoniac(アンチモンの)が挙げられます。