古英語の her は「この場所で、ここにいるときに、ここへ向かって」という意味で、原始ゲルマン語の代名詞の語幹 *hi-(これは印欧語族の *ki-、「これ」を意味する語から来たもの;詳細は he を参照)に、副詞的な接尾辞 -r が付いた形です。この単語は、古ザクセン語の her、古ノルド語やゴート語の her、スウェーデン語の här、中世オランダ語やオランダ語の hier、古高ドイツ語の hiar、現代ドイツ語の hier といった言葉と同じ語源を持っています。
古英語では、呼びかけに対する返事として使われることもありました。約1200年頃からは、Right here「その場で」という表現が見られます。また、約1300年頃には Here and there「あちこちで」という表現も登場しました。「ここにいて、明日にはいなくなる」という正確なフレーズ here today and gone tomorrow は、1680年代にアフラ・ベーンの著作に見られます(here to-day, a-wey to-morn という形は14世紀後期のものです)。乾杯の挨拶としての Here's to _____ は、1590年代に登場したもので、おそらく here's health to _____ の省略形です。強調表現の this here(副詞)は15世紀半ばから確認されており、1762年からは this here が形容詞として口語的に使われるようになりました。「重要でない」という意味の neither here nor there は1580年代から見られます。「また始まるのか」といった軽い嘆きの表現 Here we go again は1950年から使われるようになりました。
名詞として「この場所、現在」を表すようになったのは約1600年頃です。「今この瞬間の生活」という名詞句 here-and-now は1829年に登場しました。