「食べ物を調理する部屋、料理のために整えられた建物の一部」という意味の「キッチン」は、約1200年頃から使われ始めました。これは古英語の cycene に由来し、さらに遡ると原始ゲルマン語の *kokina(中オランダ語の cökene、古高ドイツ語の chuhhina、ドイツ語の Küche、デンマーク語の kjøkken などが同系語です)から来ています。おそらく、俗ラテン語の *cocina(フランス語の cuisine、スペイン語の cocina なども同様の語源です)を借用したもので、これはラテン語の coquina(「キッチン」を意味する)から派生した女性名詞で、coquinus(「料理人の」)という形容詞に由来し、最終的には coquus(「料理人」)や coquere(「料理する」)から来ています。この語は印欧語根 *pekw-(「料理する、熟す」)に関連しています。
古英語の単語は、俗ラテン語から直接借りた可能性もあります。また、Kitchen cabinet(「非公式だが影響力のある助言者たちの集まり」)という表現は、1832年にアメリカ英語のスラングとして登場しました。これは、アンドリュー・ジャクソン大統領に関連しており、彼の親しい友人たちが公式な助言者よりも大きな影響力を持っていたとされることから来ています。考古学用語の Kitchen midden(1863年)は、デンマーク語の kjøkken mødding を翻訳したものです。姓の Kitchener(「(修道院の)キッチンで働くか、監督する人」という意味)は、14世紀初頭から見られます。