「小さな、胞子植物で構成された草本植物が一緒に生えている様子」と「湿地、泥炭地」という意味は同じ言葉から来ています。古英語では meos(「苔植物」)と mos(「湿地」)で、どちらも原始ゲルマン語の *musan(古高ドイツ語の mios、デンマーク語の mos、ドイツ語の Moosも同源)から派生しています。また、古ノルド語の mosi(「苔、湿地」)や中世ラテン語の mossa(「苔」)も同じゲルマン語のルーツを持っています。
これらは印欧語族の *meus-(「湿った」)に由来し、そこから派生した言葉が沼地やその植生を指すようになりました(ラテン語の muscus「苔」、リトアニア語の mūsai「カビ、コケ」、古教会スラヴ語の muchu「苔」などが例です)。ゲルマン語群ではこの言葉が両方の意味で使われており、苔が湿地帯の代表的な植物であるため、自然な流れと言えます。どちらの意味が元々のものかははっきりしません。「転がる石には苔が生えない」ということわざは14世紀から見られます:
Selden Moseþ þe Marbelston þat men ofte treden. ["Piers Plowman," 1362]
石の上に苔は生えない。人々がよく踏む大理石の上には。 [「ピアーズ・プラウマン」、1362年]
Moss-agate(「苔のような樹状体が見られる瑪瑙石(鉄酸化物による)」)という言葉は1790年に登場しました。スコットランドの国境の湿地を荒らす「自由な略奪者」を指す moss-trooper(「苔の兵士」)という言葉は、1805年にスコットによって17世紀の用法が復活されました(bog-trotter「泥沼を歩く者」と比較)。