1530年代に「変える、移す、運ぶ」といった意味で使われるようになったこの言葉は、ラテン語の traducere に由来しています。このラテン語は「変える、転換する」といった意味の他に、「行列に導く、見せびらかす、名誉を傷つける、恥をかかせる」といった意味も持ち、元々は「横断させる、通過させる、移転させる」といった意味でした。この語はフランス語の traduire、スペイン語の traducir、イタリア語の tradurre などにも影響を与えています。語源をたどると、trans(「横に、超えて」、trans- を参照)と ducere(「導く」、インド・ヨーロッパ語の語根 *deuk-「導く」から)が組み合わさったものです。
英語で「中傷する、誹謗する、嘲笑や悪評の対象にする」といった意味で使われるようになったのは1580年代で、これはラテン語の traducere が比喩的に「軽蔑や恥辱を与える」という意味で使われていたことに由来しています。この意味は「見世物のように導く」という発想から来ています。
関連語としては、Traduced(中傷された)、traducing(中傷すること)、traducement(中傷)が挙げられます。17世紀には、ラテン語の過去分詞の語幹から作られた動詞 traduct も試みられましたが、これは廃れました。しかし、traduction は一部の専門的な文脈で生き残りました。また、Traduce はかつて英語で「伝える、伝達する」というより直訳的な意味でも使われていました(1560年代)。このため、神学の分野では traducian(魂が親から伝わるという教義を持つ人)や traducianistic(その教義に関する)といった語が生まれました。