中英語の staf は「棒や杖」、特に手に持つ約5〜6フィートの長さのものを指します。これは古英語の stæf(複数形は stafas)に由来し、「歩行杖、運搬用の強い棒、武器として使う棒、牧師の杖」といった意味を持っていました。おそらく元々は *stæb という形で、原始ゲルマン語の *stab-(古ザクセン語の staf、古ノルド語の stafr、デンマーク語の stav、古フリジア語の stef、中低ドイツ語と中オランダ語の staf、古高ドイツ語の stab、現代ドイツ語の Stab、ゴート語の *stafs「要素」などの語源でもあります)から派生したものと考えられています。中オランダ語の stapel は「柱、基盤」を意味します。
この語は、印欧語族の語根 *stebh-(「柱、茎、支える、しっかり置く、固定する」)から再構築されます。この語根は、古リトアニア語の stabas(「偶像」)、リトアニア語の stiebas(「杖、柱」)、古教会スラヴ語の stoboru(「柱」)、サンスクリット語の stabhnati(「支える」)、ギリシャ語の stephein(「結びつける、囲む、花冠を作る」)、staphyle(「ぶどうの木、ぶどうの房」)、古英語の stapol(「柱、支柱」)などにも見られます。このため、stiff(「硬い」)とは関係がないと考えられています。
「支えるもの、支えとなるもの」という概念から派生した多くの拡張意味があります。たとえば、staff of life(「命の杖」、つまり「パン」)は、聖書の break the staff of bread(「食糧供給を断つ」)という表現に由来し、ヘブライ語の matteh lekhem(「パンの杖」)を翻訳したものです。この意味での「旗を掲げる棒」としての用法は1610年代から見られます。また、音楽記譜法における横線を指すようになったのは1660年代からです。
「司令官を補佐するが部隊を指揮しない軍事幹部」の意味は1702年から確認されており、ドイツ語からの借用と考えられます。これは、権威の象徴としての棒(バトン)を指し示す概念から来ており、この意味は1530年代から英語でも使われています。ここから、staff officer(1702年、「参謀士官」)、staff-sergeant(1811年、「軍曹」)といった語が生まれました。この用法では、通常複数形は staffs です。「オフィスや病院の職員集団」という意味は1837年に確認されています。
古英語の stæf は複数形で「アルファベットの文字、記号」を意味し、そこから「書き物、文学」といった概念が派生しました。この語は、書き物に関連する古英語の複合語にも見られます。たとえば、stæfcræft(「文法」)、stæfcræftig(「文字を知っている、読書ができる」)、stæflic(「文学的な」)、stæfleahtor(「文法的誤り」)などです。特に leahtor(「罪、過ち」)との組み合わせが多く見られます。