古英語の mast は「数、量、範囲で最も多い、最大の」という意味で、以前は mæst とも表記されていました。これは原始ゲルマン語の *maistaz に由来し、同じく古サクソン語の mest、古フリジア語の mast、古ノルド語の mestr、オランダ語の meest、ドイツ語の meist、ゴート語の maists(すべて「最も多い」の意)と同系です。これは原始ゲルマン語の *maiz の最上級形で、古英語の ma や mara(more を参照)に繋がります。古英語では micel(「大きい、重要な」、mickle を参照)を最上級として使われ、後に much の最上級としても用いられるようになりました。この語の母音は more の影響を受けています。
「最も多い」という元の意味は、14世紀中頃の表現 for the most part(「大部分は」)に残っています。古英語では micel の最上級として使われ、後期古英語では「最も多い数」を意味する名詞としても使われました。1520年代には、make the most of(「最大限に活用する」)という表現が「最も価値のある、利点のある」という意味で使われるようになりました。関連語として Mostly(「主に」)があります。
「最も多い」という二重最上級 mostest は、1849年にアメリカ南部やアフリカ系アメリカ人の口語で見られます。この表現は、教育を受けていないことで有名な南軍のナサニエル・ベッドフォード・フォレスト中将が戦闘で勝利するための公式として、1886年に Git thar the fastest with the mostest men(「最も多くの兵士を持って、最も早くそこに行け」)と記録されています。
15世紀から17世紀の英語では、mostwhat(「大部分は」)、mostwhen(「ほとんどの場合」)、mostwhere(「ほとんどの場所で」)といった表現も使われていました。