古英語の fox(「キツネ」)は、原始ゲルマン語の *fuhsaz(同義語として古ザクセン語の vohs、中世オランダ語および現代オランダ語の vos、古高ドイツ語の fuhs、現代ドイツ語の Fuchs、古ノルド語の foa、ゴート語の fauho)から来ており、さらに原始ゲルマン語の *fuh-、そして印欧語族の *puk-(「尾」)に遡ります。この語源は、サンスクリット語の puccha-(「尾」)にも見られます。
キツネのふさふさした尾は、ウェールズ語(llwynog、llwyn「茂み」から)、スペイン語(raposa、rabo「尾」から)、リトアニア語(uodegis、uodega「尾」から)など、他の言語でも「キツネ」を表す言葉に影響を与えました。古英語では、キツネが「賢い人」を指す比喩的な使われ方も見られます。この意味で「魅力的な女性」を指すようになったのは1940年代ですが、foxyという表現がこの意味で記録されたのは1895年です。fox-tail(キツネの尾)は、14世紀後期には道化師の象徴の一つとされていました。
古英語の翻訳版『四足獣の医学』(Medicina de Quadrupedibus)では、女性の「内臓にトラブルを抱える場合、キツネの四肢と脂肪を古い油とタールで軟膏にして、女性の患部に塗ると、すぐに治る」といったアドバイスが記されています。また、「刺激なく性交するためには、キツネの尾の先端を腕にぶら下げると良い」とも勧められています。キツネの睾丸をイボにこすりつけると、それを取り除く手段と考えられていました。