中英語の thorn、つまり「鋭い棘やトゲ」は、古英語の þorn(「茎や枝の鋭い先端」を意味する)に由来し、さらに遡ると「棘のある木や植物、特にカネノキ(ハホウシヤク)」を指していました。これは原始ゲルマン語の *thurnīn-(古ザクセン語や古フリジア語の thorn、オランダ語の doorn、古高ドイツ語の dorn、現代ドイツ語の Dorn、古ノルド語の þorn、ゴート語の þaurnus も同源)から来ています。
この語はウォトキンズによって再構築されており、インド・ヨーロッパ語族の *trnus(古教会スラヴ語の trunu、「棘」、サンスクリット語の trnam、「草の刃」、ギリシャ語の ternax、「サボテンの茎」、アイルランド語の trainin、「草の刃」も同様の語源を持つ)に由来するとされています。この語は *(s)ter-n-(「棘のある植物」を意味する)から派生し、さらに *ster-(1)(「硬い」を意味する)に関連していると考えられています。
中英語では主にバラやキリストの棘冠を指すことが多かったです。「痛みやイライラの原因となるもの、傷つけたり迷惑をかけるもの」という比喩的な意味は、13世紀初頭から見られ(thorn in the fleshは『コリント人への第二の手紙』12章7節から)、また、アングロサクソン語やアイスランド語のルーン文字(þ)としても使用されました。このルーンはその文字が表す単語の頭文字にちなんで名付けられたものです(詳しくは th を参照)。Thornberryという地名は約1500年頃から確認されています。