「口の下にある顔の下部」、古英語の cin、cinn は「顎」を意味する言葉で、これはゲルマン語全体で一般的に使われていました(古ザクセン語や古高ドイツ語の kinni、古ノルド語の kinn、ドイツ語の Kinn は「顎」を指し、ゴート語の kinnus は「頬」を意味します)。この言葉は印欧語族の語根 *genu- (2) に由来し、おそらく元々は「顎」や「顎の骨」を指していたものの、後に「顎」や「頬」を表す言葉にも使われるようになりました。
西ゲルマン語のこれらの単語は一般的には「顎」を意味しますが、古英語の cinbane(「顎の骨」)のように、かつては「顎」を指していた名残も見られます。また、「頬」「顎」「顎の骨」といった言葉は自然に重なり合い、互いに入れ替わることもあります。例えば、cheek(名詞)は元々「顎」を意味していたし、ラテン語の maxilla はイタリア語の mascella(「顎」)を生み出しましたが、スペイン語の mejilla(「頬」)はまた別の意味を持っています。
「take it on the chin」(比喩的に「厳しい打撃を受ける」、時には「耐え忍ぶ力を持つことを示唆する」)という表現は1924年から使われ始め、ボクシングから来たイメージです。「keep (one's) chin up」(「逆境の中でも楽観的でいる」)は1913年からですが、そのイメージ自体はもっと古いものです。
I discovered the other day another simple means of producing cheerfulness—raise the chin—with the chin up, the whole mental attitude is changed. If you feel a bit blue or discouraged, just raise your chin, and you will find that things look different; whereas the mere appearance of a man with his chin down suggests that he is disconsolate. [National Magazine, November 1906]
ある日、私は別の簡単な方法で気分を明るくすることができると気づきました—顎を上げることです。顎を上げると、心の持ち方がまったく変わります。もし少し憂鬱だったり落ち込んでいたりするなら、ただ顎を上げてみてください。そうすれば、物事が違って見えることに気づくでしょう。一方で、顎を下げた人の姿は、彼が悲しんでいることを示唆します。[National Magazine, 1906年11月]