14世紀後半には、auncyenという形で人々に対して「非常に古い」という意味で使われていました。1400年頃には物に対して「遠い昔から存在している」という意味でも使われるようになり、これは古フランス語のancien(「古い」「長い間続いている」「古代の」)から来ています。この言葉は、俗ラテン語の*anteanus(文字通り「前からの」)に由来し、ラテン語のante(「前に」「前方に」「対して」)から派生した形容詞です。anteは、印欧語族の*anti(「対して」「反対に」)にあたる語で、*ant-(「前」「額」)という語根の場所格単数形です。
15世紀初頭からは「遥か昔に存在したり起こったりしたもの」という意味でも使われるようになりました。特に歴史的な文脈では「西ローマ帝国の滅亡前の時代に属するもの」を指し(1600年頃、medievalやmodernと対比される)、英語法では「ノルマン征服以前のもの」を意味しました。
名詞としては、14世紀後半に「非常に古い人」という意味で使われ、1530年代には「昔の時代に生きていた人」という意味でも使われました。特にAncient of Days(「永遠の存在」「全能の神」)という表現は、聖書のダニエル書7章9節から来ています。関連語としてはAnciently(「古くから」)があります。
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語源的には関係のない-tが15世紀から見られるようになり、おそらく-entや-ant(ラテン語第一活用動詞の現在分詞から派生した名詞の接尾辞)との混同や影響によるものです。
このプロセスは、cormorant(コルモラン)、parchment(羊皮紙)、pageant(見世物)、peasant(農民、フランス語)、pheasant(キジ)、tyrant(暴君、フランス語)などにも影響を与えました。また、talaunt(古い中英語のtalon、「爪」)などや、currant(干しぶどう)、truant(怠け者)、pennant(旗)なども、語源的には正当なラテン語の語尾を持たないのに、ラテン語の語尾を模倣する形になったのかもしれません。[Fitzedward Hall, "Modern English," 1873]