英語のアルファベットの14番目の文字で、化学ではnitrogen(窒素)の記号として使われます。
中世後期の英語では、aとanが、次に来る名詞が母音で始まる場合に結合されることが多く、これが原因でそのような単語を別々に書いたときにどのように区切るべきかが混乱を招きました。nickname(あだ名)、newt(イモリ)、およびイギリスの方言であるnaunt(おばさん)の場合、-n-は前の不定冠詞anや所有代名詞mineに属しています。My naunt(私のおばさん)は13世紀から17世紀にかけて記録されており、my nown(私自身のもの)は15世紀から18世紀によく見られました。
中世の写本からの他の例としては、a neilond(「島」、13世紀初頭)、a narawe(「矢」、1400年頃)、a nox(「牛」、1400年頃)、a noke(「オークの木」、15世紀初頭)、a nappyle(「リンゴ」、15世紀初頭)、a negge(「卵」、15世紀)、a nynche(「インチ」、1400年頃)、a nostryche(「ダチョウ」、1500年頃)などがあります。None other(他に誰も)がno noder(15世紀中頃)になった例もあります。
16世紀には、an idiot(愚か者)が時折a nidiot(1530年代)になり、さらに一般的な発音の変化によりnidget(1570年代)となり、残念ながら今では私たちの間でその声は聞かれなくなりました。また、ingle(名詞2)は、エリザベス朝時代の「少年のお気に入り(悪い意味で)、男色者」を指す言葉で、劇作家たちによく見られ、ningle(私のingle)という形で使われていました(例:デッカーの「騒がしい少年たち…、フェンシングをする者たちとningles」)。
このようなプロセスは、トーマス・ライトによると、15世紀の語彙において「常に繰り返される」ものとされています。多くの例の中には、Hoc alphabetum ... a nabse(「このアルファベットは…」)のようにan ABC(ABC)を誤って区切って(単語として発音して)作られたものや、Hic culus ... a ners(「ここにいるのは…」)のようなものがあります。また、nonce(一時的なもの)、pigsney(豚の子)も同様です。19世紀までには、地方の英語やアメリカ英語でnoration(an oration「演説」)が「演説」や「噂」を意味する言葉として使われていました。
このプロセスは姓にも見られ、古英語の前置詞at(「~のそばに、近くに」)の斜格から派生したものです。例えば、Nock(ノック)やNokes(ノークス)、Noaks(ノークス)はatten Oke(「オークの木のそばに」)から、Nye(ナイ)もatten ye(「低地の近くに」)から来ています。また、Nashville(ナッシュビル)を参照してください。(定冠詞の母音が省略される現象も見られ、15世紀の公文書英語では標準的でした。例えば、þarchebisshop(「大司教」)、thorient(「東方」)などです。)
しかし、英語の単語が前のaに影響されて-n-を失うことの方が一般的です。例えば、apron(エプロン)、auger(ドリル)、adder(マムシ)、umpire(審判)、humble pie(屈辱的な謝罪)などが挙げられます。エリザベス朝時代の英語では、natomy(解剖学)やatomy(解剖学)が一般的で、anatomy(解剖学)を指していました。また、noyance(annoyance「迷惑」)やnoying(annoying「迷惑な」)は14世紀から17世紀にかけて見られ、マーロウ(1590年)もNatolian(Anatolian「アナトリアの」)という表現を使っています。15世紀の文献には、umbre(number「数」)という形も見られます。この傾向は英語に限らず、Luxor(ルクソール)、jade(翡翠)、lute(リュート)、omelet(オムレツ)などや、現代ギリシャ語のmera(hēmera「日」)のように、最初の音節が定冠詞と混同される現象が見られます。
数学におけるn(任意の数を表す記号)の使用は1717年に確認され、to the nth power(nth「n乗にする」)のような表現が見られます。中世英語では、nは書類の中で特定の名前を示すために使われ、話者や読者が補完する形で解釈されました。