古英語の Lucifer は「サタン」を意味し、また「明けの明星」、つまり日の出前の空に輝く金星を指すこともありました。さらに、女神ダイアナの別名や称号としても使われていました。この語はラテン語の Lucifer に由来し、こちらも「明けの明星」を意味します。これは形容詞から名詞に転用されたもので、文字通り「光をもたらす者」という意味です。ラテン語の lux(属格 lucis)は「光」を意味し、これは印欧語根 *leuk-(「光、明るさ」を意味する)から来ています。もう一方の ferre は「運ぶ、持つ」という意味で、これも印欧語根 *bher-(1)(「運ぶ」や「子を産む」といった意味を持つ)から派生しています。夕方の空に輝く金星は Hesperus と呼ばれていました。
この語がサタンの固有名詞として使われるようになったのは、聖書においてギリシャ語の Phosphoros(「光をもたらす者」)を翻訳するために用いられたことから始まりました。これはヘブライ語の Helel ben Shahar(「明けの明星、シャハールの子」)を翻訳したもので、特にイザヤ書14章12節に見られます。「おお、ルシファーよ、朝の子よ、あなたは天から落ちたのか!」(キングジェームズ版)。この「天からの堕落」という表現があったため、キリスト教徒はこの節を霊的に解釈し、サタンを指すものと考えました。しかし、実際にはバビロンの王を指していると解釈されるべきです(イザヤ書14章4節を参照)。後の翻訳では daystar(「昼の星」)と訳されることもありました。
「摩擦式マッチ」を指す言葉として使われるようになったのは1831年で、これは Lucifer match(「ルシファー・マッチ」の略)から来ています。16世紀には Luciferian(「ルシファリアン」)、Luciferine(「ルシファリン」)、Luciferous(「ルシファラス」)といった形容詞も見られました。また、4世紀にはサルデーニャ島のカリャリに厳格な反アリウス派の司教 Lucifer が存在し、地元では聖人として崇められていました。