「 rag 」の語源

また、rag-time、「シンコペーションの効いた、ジャジーなピアノ音楽」、1896年、恐らくrag「ダンスボール」（1895年、アメリカ英語方言）から、またはraggedの短縮形で、シンコペーテッドメロディーを指している。Rag (n.)「ラグタイムダンス曲」は1897年から。

If rag-time was called tempo di raga or rague-temps it might win honor more speedily. ... What the derivation of the word is[,] I have not the faintest idea. The negroes call their clog-dancing "ragging" and the dance a "rag." [Rupert Hughes, Boston Musical Record, April 1900]

ラグタイムがtempo di ragaやrague-tempsと呼ばれていたら、もっと早く名誉を得たかもしれない。... この言葉の由来が何であるか、私は全く分からない。黒人たちは彼らのクロッグダンスを「ラッギング」と呼び、そのダンスを「ラグ」と呼ぶ。[Rupert Hughes, Boston Musical Record, 1900年4月]

Conceive the futility of trying to reduce the intangible ragness to a strict system of misbegotten grace notes and untimely rests! In attempting to perfect, and simplify, art is destroying the unhampered spirit in which consists the whole beauty of rag-time music. The very essence of rag-time is that it shall lack all art, depending for the spirit to be infused more upon the performer than upon the composer himself. [Yale Literary Magazine, June 1899]

無形のラグネスを誤ったグレースノートと不適切な休符の厳格なシステムに還元しようとする無意味さを考えてみてください！芸術を完璧にし、単純化しようとする試みは、ラグタイム音楽の全ての美しさを構成する自由な精神を破壊しています。ラグタイムの本質は、すべての芸術が欠け、精神が作曲者自身よりも演奏者により多く依存することです。[Yale Literary Magazine, 1899年6月]

Her first "rag-time" was "The Bully," in which she made great sport by bringing a little coloured boy on the stage with her. Miss [May] Irwin says the way to learn to sing "rag-time" is to catch a negro and study him. [Lewis C. Strang, "Famous Actresses of the Day in America," Boston, 1899]

彼女の最初の「ラグタイム」は「The Bully」で、彼女は小さな有色人種の男の子を舞台に連れてきて大いに楽しんだ。ミス[メイ]アーウィンは、ラグタイムを歌う方法は黒人を捕まえて彼を学ぶことだと言う。[Lewis C. Strang, "Famous Actresses of the Day in America," Boston, 1899年]

中英語のrough（14世紀後半）、またrouhe、rouwe、roghe、rughなどは、古英語のruh、rug-「触感が滑らかでない、粗い（布の）、毛むくじゃらの、もじゃもじゃの」から出ており、皮については「なめされていない、手入れされていない」、土壌については「耕されていない」といった意味を持つ。これは西ゲルマン語の*rukhwaz「もじゃもじゃの、毛むくじゃらの、粗い」（中オランダ語のruuch、オランダ語のruig、古高ドイツ語のruher、ドイツ語のrauhの語源でもある）から派生し、原始ゲルマン語の*rukhazに由来し、サンスクリット語のruksah「粗い」、ラテン語のruere「突進する、激しく落ちる、崩れる」、ruina「崩壊」、リトアニア語のraukas「しわ」、rukti「縮む」の語源とも関連しているかもしれない。

元の-gh-の音は喉音で、スコットランド語のlochのようなものであった。rowの形は16世紀初頭からの通常の変種で、方言に残った。行動については「厳しさや不均衡によって特徴づけられる」、1300年頃；土地、地形については15世紀後半から「ごつごつした、横断が難しい」として。嵐のような天候は14世紀中頃から；14世紀後半には激しい海、失礼な言葉、不協和音を指すようになった。

14世紀中頃からは「粗雑に作られたもの」として；1600年頃には「粗野に十分であり、滑らかまたは芸術的に形成されていない」として。Rough stone「手を加えていない石をモルタルでつなぎ合わせたもの」は15世紀中頃から。書き方や文学スタイルについては「洗練されていない、未研磨の」として1530年代に記録された。「おおよその」という感覚は1600年頃から記録されている。

Rough draft（またはdraught）は1690年代から。Rough-and-ready「失礼で無秩序な」は1832年からで、以前の名詞（1810年）に由来し、元々は軍事的なものだった；rough-and-tumble「入念にまたは注意深く秩序立てられていない」は、無差別な打撃や倒れ込みによって特徴づけられる自由闘技のスタイル（1810年）から。Rough music「鍋やフライパンなどを叩いて隣人を annoy したり罰ったりするために生じる騒音」は1708年から。Rough-snout（1300年頃）は「ひげのある顔」を指す古い用語だった。