また、distil(ディスティル)は、14世紀後半に「滴下させる」(他動詞)として使われ始め、15世紀初頭には「滴る、滴り落ちる」(自動詞)という意味も持つようになりました。この言葉は、14世紀の古フランス語のdistiller(ディスティレ)から来ており、さらに遡るとラテン語のdistillare(ディスティッラーレ)、「微小な滴として流れ落ちる」という意味に由来します。このラテン語は、dis-(離れて、分離して、参照:dis-)と、stillare(滴る、落ちる)から成り立っており、stilla(滴)という言葉が基になっています。このstillaの語源ははっきりしていませんが、印欧語根の*sti-(立つ、固定する)から来ている可能性があります。デ・ヴァーンは、古代ギリシャ語のstile(滴)、リトアニア語のstyri(硬くなる)、古ノルド語のstira(硬直する、こわばる)などと比較していますが、どれも確信が持てないとしています。14世紀後半からは「蒸留によって得る、抽出する」という意味でも使われるようになり、1400年頃からは「蒸留される」という意味でも使われるようになりました。関連語としては、Distilled(蒸留された)、distilling(蒸留している)などがあります。