1540年代には「言葉」という意味で使われていましたが、現在ではほとんど使われていない表現です。この語は後期ラテン語の dictionem(主格は dictio)に由来し、「言い回し、表現、言葉、話し方やスタイル」といった意味を持っていました。これは、ラテン語の dicere(「言う、述べる、宣言する、知らせる、主張する、断言する」の意)から派生した名詞で、フランス語の dire(「言う」)もここから来ています。また、dicare(「話す、発言する、演説する、発音する、明確にする」といった意味)とも関連しており、どちらも印欧語族の語根 *deik-(「示す、特に厳かに発音する」といった意味)に由来しています。「言い方、特に言葉の選び方」という意味が定着したのは1700年頃からです。
ラテン語の dicere と dicare はもともとは同じ語だったと考えられています。De Vannは、「動詞 dicāre はおそらく -dicāre という複合語から逆に形成されたものだろう」と述べています。基本的な意味は「話す、宣言する」といったもので、二つの語はそれぞれ異なる派生的な意味を持つようになりました。具体的には、dicere は「言う、述べる、宣言する、知らせる、主張する、断言する、(訴訟を)弁護する」といった意味を持ち、宗教的な文脈では「奉献する、聖別する」といった意味もあり、そこから「捧げる、特別に定める、適切に使う」といった転用も見られます。一方で、dicare は「話す、発言する、演説する、発音する、意図する、描写する、呼ぶ、名付ける、任命する、特別に定める」といった意味を持っています。